記憶に残る采配
今でも忘れられない野球の試合があります。
昨年のプレーオフ 第2ステージ ソフトバンク対ロッテ戦 第5試合。リーグ優勝のかかったプレーオフでロッテは2連勝の後、第3戦は9回に4点差を追いつかれてサヨナラ負け、第4戦も一点差で負け、2勝2敗のタイで迎えた第5試合最終戦。
ロッテが1対2でリードされて迎えた8回無死 1,2塁という場面。バレンタイン監督の采配は日本球界の常識からすれば信じがたいものでした。打順は4番のサブロー。ほとんど全ての人はここはバントと予想。特にサブローはこのプレーオフ不振を極めており、この打席まで14打席ノーヒット。強打にでて、併殺になれば絶好機を失う。
ところが彼はここでバントをさせなかった。結果2飛に倒れてワンアウト1,2塁にかわった。当然の事ながら解説者から明確な批判があがった。
どんな監督でもここはバント。もう8回である。こんなチャンスは作れる機会はない。一点とれれば同点にできる状況。強打で併殺の危険をおかす理由は何も無い。しかもサブローは14打席ノーヒット。バントなら仮に失敗しても併殺は避けられる。強打させる理由は何もない。論理的には筋は通っている。
結果的には次の里崎選手が逆転2塁打放ち、3対2でロッテは優勝を決めた。
なぜバレンタインはサブローにバントをさせなかったのだろうか?
日本球界ではバントは安全策であり、誰もができねばならないという基本プレーという概念があります。しかしながら、彼の頭にはバントは無条件に安全策ではない、誰がバントをするかによって安全策かどうか決まる!という考えがあったと推測される。
事実「選手は得意ではないことを強要されると力を発揮しない」と彼はいう。得意な選手がやれば安全策だが不得意の選手がやれば…。
サブローは同年、107試合に出てバントは2度しか決めていない。加えて2塁ランナーの初芝選手は足が遅い。一方サブローは107試合で、併殺打はたった6回しか打っていない。やり慣れていないバントをさせ、足の遅い初芝選手を3塁におくれる可能性はどの程度だったのか?
バントをさせておけば、失敗しても批判されるのは失敗した選手であって、バントを選択した監督ではない。監督の選択は当然の仕方ないものとして評価される。日本球界ではそうであろう。
しかし彼はそうしなかった。彼の思いは「一人一人の選手は何ができるかを知り、その範囲内でのみ結果を求める」であろう。そして自分の采配に対する批判をも恐れなかった。
結果は先に述べたとおり、次の里崎選手の2塁打で逆転。でもこれは結果オーライではなく、その選手に何が出来るかを知り、その範囲内で結果を求めた帰結というべきである。当然、併殺で失敗しても、里崎選手の仲間思いの熱き性格をも信じた上での采配とも考えうる。
せろり企画の経営コンサルタントとは?
バレンタイン監督のように選手の性格、成績、近況等を常に把握し、常識にとらわれず責任回避をしない判断ができれば、何も申すことはないし、経営コンサルタントの必要はありません。
だが現実には、経営者は多忙で全社員を育成したり現状を把握しておくことは、極めて困難なことです。加えてセオリーからはずれた結論をだすことは大変勇気のいることです。
この役割を担い、経営の円滑な補助をすることが、正に「経営コンサルタント」としての本分と心得ます。
一人のコンサルタントが経営者・社員・法務関連と全ての分野に関与することにより、社員の現状を常に把握し、バントではなく強打の采配を経営者が選択できるように適切にアドバイスし、又経営者の思いをも全社員にフィードバックできるような血液のような存在を目指します。 |